※本記事はイーザスソフトウェア様の提供、ご協力でお送りします。
今回はバックアップ&復元ソフトやHDD/SSDのパーティション管理ソフトなどで知られるソフトウェアメーカー「EaseUS(イーザス)」さんのデータ復旧ソフト「EaseUS Data Recovery Wizard Pro」を試用する機会を頂いたので実際にどの程度使えるのか検証していきます。
さて、本題です。一眼レフカメラで写真撮影後、間違って撮影データを消去(フォーマット)してしまったらという想定の元、その消してしまったデータは「EaseUS Data Recovery Wizard Pro」で実際に復元できるのか検証を行います。
詳しい検証の流れは以下の形です。
デュアルスロットの一眼レフカメラを使用(Canon EOS 7D Mark II)。
SDカード(MicroSD+変換アダプタ)は新品のものを使用。使用前にカメラで物理フォーマット。
CFカードは普段から使っているものを使用。使用前にカメラでフォーマット。
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1枚約5MBの記録形式JPGの写真を数十枚程度撮影。
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撮影終了後、どちらのカードもカメラで再度フォーマット(この際、物理フォーマットはしない。)
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「EaseUS Data Recovery Wizard Pro」で復元できるかを試す。
なお、撮影終了後の段階で比較のためフォーマットする前にバックアップを取っておきます。
検証開始
まずは、最後に復旧データと比較するため撮影してきたデータをPCにバックアップ。SDカードとCFカード両方をバックアップしています。
SDカードの中身はこんな感じです。
続いてCFカードも内容は同じですがこんな感じです。
SDとCFカードのデータをカメラで初期化(フォーマット)していきます。
その後、PCで中身を確認するともちろんデータは消えてなくなっています。
ここでようやく「EaseUS Data Recovery Wizard」の出番です。事前にインストールしていた体験版を起動します。
復旧したいメディアをダブルクリックすると復元可能なデータのスキャンが始まります。下の方に残り時間が表示されていますがこれはすぐに延びるのであてになりません。USB3.0のカードリーダーに取り付けた今回の16GBのclass4のSDカードで10分ほどかかりました。(もちろん復元データの大きさで時間は変わると思います。)
スキャンが完了すると以下のようなフォルダが出てきました。
ファイルの数を見るとどうやら「紛失ファイル」というところに復元可能なデータがあるようです。
「紛失ファイル」のフォルダを開くと写真データが出てきました。ファイル名はなぜか変わっていますがフォーマット前の79枚ちゃんとあるようです。
復元したいデータにチェックを入れ、「リカバリー」ボタンをクリック。
体験版の状態でしたのでこんな画面が^^;
無料のトライアル版ではどんなデータが復旧可能か見られても実際にファイルを復元することはできないようです。
今回は有償版を試用させていただいているため、シリアルコードを入力しライセンス認証。
これで任意のフォルダにデータが復元可能になりました。
この時、注意しないといけないのが復旧したいメディアを保存先に選んではいけません。(データが上書きされて現状より復元が困難になる可能性があるため)
必ず別のメディアを保存先に選びます。
保存先を選択後、しばらくデータの復元を待ち保存先のフォルダを見るとしっかりとフォーマットによって消したはずの写真が復元されていました。画像が壊れているなどのファイルの破損等もありませんでした。ファイル名は撮影時(記録時)の当初のものから変わっていますがそれ以外完璧です。ただ、撮影時に明らかに没な写真をカメラ内で数枚消していたのですがそこまでは復元されなかったようでした。カメラ内でデータ削除→さらにフォーマットを行った状態でフォーマットよりももっと前に消してしまったたデータの復旧はできないのかもしれません。
しかし、物理フォーマットではない、いわゆるクイックフォーマットや簡易フォーマットを誤ってしてしまったという状況下ではほぼ完璧に復旧できることがわかりました。
ちなみにどういうファイルが復元できるかは以下のようにファイルの中身を復元前にプレビューで見られるので非常にわかりやすいです。JPGの写真や音声データだけでなくなにげにWordやExcelのデータや写真のRAWファイルにも対応しているのはありがたいです。ただし、100MBを超えるファイルやそもそも復元が難しく壊れているデータなど一部のデータはプレビューで開くことができないので一度リカバリー後、復旧されたデータを確認するしかないようです。
次はCFカードの復元です。普段から使っている128GBのCFカードでカメラの機能だけでは物理フォーマットができないこともあり、スキャンをかけると山のようにデータが検出され、終わりには273GBと容量以上のファイルが表示されました。おそらく上書き上書きで実際は断片しか残っていない破損したデータが散らばっておりそれが検出された結果実容量以上の表示が出たのだと思います。こういった繰り返された上書きで断片しか残っていない古いデータは破損された状態で復元されるかそもそも復元できないケースが多いのでやはりデータ復旧を行う場合はその時点からさらなる上書きはできるだけ避けるべきだと思います。
ちなみに復元可能なデータの中には怖ろしく昔のデータもありちょっとびっくりしました。最近、簡易的に消去したHDDから情報が復元され情報漏洩が起きた事件などありましたが素人でも一般向けのソフトを使うだけでこれだけ復元可能ならそういう事件も起きるよな~と身をもって感じます。
このCFカードの復旧に関してはSDカード以上で100点満点でした。
先ほどのSDカードでは復元できなかったフォーマット以前にカメラ内で削除していた没写真も完璧に復元され、文句なしの状態です。128GBという余裕のある容量の問題か、CFカードという媒体だからなのかわかりませんがSDカードよりも高い復旧率となりました。
おまけ
ちなみに最後に今回使ったSDカードをカメラの機能で物理フォーマットを行い、復元可能なデータをスキャンしてみましたが1枚の写真も検出されることはありませんでした。やはり、ファイルの管理情報だけを消去する簡易フォーマットと違いメディア内のすべての領域に上書きをかける物理フォーマットを行った場合のデータ復旧はどんなソフトでもそうだと思いますが難しいようです。
所感
今回試用させていただいた「EaseUS Data Recovery Wizard Pro」ですが、さすが有償ソフトウェアなだけあって誤ってカメラのSDカード、CFカードをフォーマットしたくらいならほぼ完璧に復旧できる性能を備えているという感じでした。ただ、当たり前ですが物理フォーマットを行った場合やデータを上書きを重ねた状態だと復旧したい過去のデータを復元することは困難になるので購入を検討されている方はご自身のメディアの使用状況を考えてから購入された方がよいかと思います。また、今回検証した環境はデータ復旧の中ではかなりイージーな方だと思うので実際に日常でデータ復旧が必要な機会があれば、また使わせていただきその結果をみなさんにお伝えしたいと思います。