【モニターレビュー&使い方解説】ストロボがまさかの自動変形! Canon SPEEDLITE 470EX-AI

世界初、バウンスの自動化を実現した先進モデルとして2018年4月20日に発売した「Canon SPEEDLITE 470EX-AI」。商品名に入っている「AI」は、人工知能(Artificial Intelligence)ではなくAuto Intelligentの略だそう。これでAI(バウンス)機能搭載と売り出すのは誤解を生むのでちょっとどうかと思います。

今回もCanonの有料会員制サービス「キヤノンフォトサークル」の会員向けに毎月開催されている抽選で好きなレンズやボディ、アクセサリ(掲載されているものに限る)を一定期間貸してもらえるという機会を運よくいただけたのでレビューしていきます。

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

パッケージ。

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

付属品は本体、ケース、ミニスタンド、バウンスアダプター、説明書類。

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

大きさは幅74.6mm、高さ130.4mm、奥行き105.1mm。重さは本体のみ385gとなっています。

とても内蔵モーターによって自動変形するとは思えないコンパクトなサイズに収まっています。

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

側面。使用電池は単三4本となっています。

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

操作系はこんな感じです。バウンス専用のスイッチ、ボタンが新設されている他は下位モデルの430EX III-RTを踏襲したデザインです。

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

広角レンズ使用時などに使うワイドパネル。600EX II-RT、430EX III-RTには内蔵されているキャッチライトパネルはありませんでした。

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

専用バウンスアダプター(SBA-E4)装着時。ストロボ側に接点があり、バウンスアダプターが付いているかどうか認識して動作が変わるようになっているので純正品は結構重要です。

ストロボの上部右側にはバウンス角度が変更できる通常のクリップオンストロボのようにバウンス角度のロック解除ボタンはなく、代わりに後述のAI.B セミオート撮影で使用するANGLE SETボタンが付いています。

その他、気になるスペックはこんな感じ。

  • 対応機種はE-TTL II/TTL対応のEOSカメラ(古いカメラは使える機能に制限がかかる。フルオート自動バウンスは2014年上期以降発売のカメラのみ対応。)
  • ガイドナンバーは47(GN47)
  • ストロボ発光部の可動範囲は430EX III-RTより向上。
  • 照射角はレンズ焦点距離24〜105mmまで対応(ワイドパネル使用時14mm)
  • ハイスピードシンクロ、後幕シンクロ対応
  • 防塵・防滴はなし
  • ワイヤレス機能は光通信(レシーバー)のみ対応、センダー(送信機)機能はなし。電波通信は送信、受信共に非対応。

ちなみにこんな感じで動作します。

比較

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

左から600EX II-RT、470EX-AI、430EX III-RT

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

左から600EX II-RT、470EX-AI、430EX III-RT

Canon SPEEDLITE 470EX-AI

左から600EX II-RT、470EX-AI、430EX III-RT

重さは600EX II-RTが435g、470EX-AIが385g、430EX III-RTが295g。

ちょうど600EX II-RTと430EX III-RTの中間のようなサイズ感です。

470EX-AIの使い方、操作方法

ここではこの機種特有のバウンス操作の方法(ストロボの首振りの角度変更方法)を解説します。

470EX-AIには0°、手動バウンス、オートバウンス(AI.B)、セミオートバウンス(AI.S)の4つの設定があります。

ストロボ背面にあるバウンスモードスイッチを0°に合わせます。

初期設定ではこの機能によってストロボのバウンス角度を手動でどの位置に固定したとしてもAFボタン(シャッターボタン)を半押しすると0°の位置(デフォルトの位置)に戻ります。何かの拍子にバウンス角度がずれた場合のための機能のようです。手動でバウンス角度を決めたい場合、下記の手動バウンスを参照ください。

手動バウンス

本体背面のバウンスモードスイッチは0°に合わせます。

次にストロボの設定を変更します。ストロボ本体のSUB MENUボタンを押して出た一覧の中からP.Fnを選択します。その後、1〜9まで設定項目がある中の9番目、P.Fn 09を選択し初期設定では「0:0°」となっている設定を「1:MANUAL BOUNCE」へと変更します。

これで手動でバウンス角度を変更して撮影することができます。ストロボの使い方に慣れている人であれば真っ先に設定しないといけない項目ですね。なぜこの設定が初期設定ではないのか不思議なくらいです。

フルオートバウンス(AI.B)

本体背面のバウンスモードスイッチをFに合わせます。

その後、本体左側にあるAI.Bボタンを押すとストロボがプリ発光し、自動でバウンス角が設定されます。

カメラを縦位置に変更した場合は、シャッターボタンを2度半押しすると横位置の時と同じ角度に自動で動きます。

セミオートバウンス

本体背面のバウンスモードスイッチをSに合わせます。

手動でストロボの発光部を動かしてバウンス角を決め、ストロボの右側側面にあるANGLE SETボタンを押します。(この作業でバウンス角が記憶されます。)

その後、縦位置などに構図を変更してもシャッターボタンを2度半押しすることで記憶したバウンス角に自動でストロボ発光部が動きます。

より詳しい説明はマニュアルをご覧ください。

所感

どこかのインタビューか何かで読んだのですが、Canonは新製品を出す時、何かしら世界初の機能を付けるこだわりがあるそうで今や交換レンズのスタンダートとなっているレンズ内手ぶれ補正もそこから生まれたそうです。そして、今回の自動バウンス機能も間違いなくそのこだわりによって搭載された機能です。実際に触ってみて、この自動変形するストロボは目新しく面白いと思いましたし、使っていて楽しい製品です。Canonのチャレンジ精神とこだわりを貫く意地は評価したいですし、ファンとして今後もこの取り組みは続けて欲しいと心から思います。

しかし、大変申し訳ないのですが個人的にはこの商品は買うことはないと思っています。

理由は、自動バウンス機能は使用条件が限定的で有効活用できるシーンが想像できない点が1つ。また、ガイドナンバー47とフラッグシップ機である600EX II-RTから見て2番目の位置付けとなるこのストロボですが、防塵・防滴機能はありません。(430EX III-RTもですが)

その上メカ部分が増えている分、堅牢性にも不安があります。

大きさ、重さも430EX III-RTのような手にとってわかるようなアドバンテージはありません。

そして、電波通信式コマンダー「Canon ST-E3-RT」を購入し、ワイヤレス多灯ストロボ環境を揃えているので今さら電波通信に非対応のストロボは新しく買うことはないかなと考えてしまいます。

価格が430EX III-RTと同等かそれ以下に下がれば、光量もありますし入門用ストロボとして良いかもしれません。